農薬不使用、科学肥料も動物由来の肥料も不使用でも、栽培できるか?
いいじま農園では、次のことを実証しようとしています。(落花生の場合で提示)
①落花生は、土中の微生物との共生関係によって、栄養を得ることができる。 落花生が光合成で作り出した多糖などを微生物に与え、微生物から土の中の栄養分をもらうことができる。
②多様な草が、害虫の天敵を呼び寄せることで、被害を少なくすることがでる。 様々な種類の草の葉や根には、それぞれ異なった昆虫や微生物がいるので、天敵の昆虫や病気を防ぐ働きをもつ微生物も増えてくる。さらに、多様な草は土の中の栄養バランスの偏りを直してくれる。連作ができる。
③自家採種を繰り返すと、きびしい環境でも成長できる落花生になる。 その土地の土壌環境や気候環境でも育つことができた種だから、翌年も成長できる力をもっている。これを毎年繰り返すと、その土地の環境でも育つ野菜になっていくはず。
1年めは、やはりわずかな収穫だけでしたが、6年めの今年は、ようやく、大きく成長した落花生を収穫することができるようになってきました。
今の農産物は、本当に安全なのか? 本当に安心して食べて良いのか? 小さな子どもへの影響はどうなのか。?
○「農薬は雨で流されるから大丈夫」「化学肥料で栽培された野菜を食べたからと言って病気にはならない」という声を聞きます。しかし、農薬は雨に流されても、やがて川や海にいくはずです。また、化学肥料で栽培されている野菜の育ち方が異常と思えるほど速いのです。「水ぶくれ」という言葉を思い出してしまいます。
このような不安から、農薬を使用しない農業、化学肥料等を使用しない農業である「自然栽培」を実践したいと考えました。
*栽培の基本
①肥料は入れない。
肥料を入れると、落花生は、速効性のある肥料(化学肥料や動物由来の肥料)から、栄養を取り入れるようになってしまう。肥料がなければ、土壌の中の微生物から栄養をもらうようになる。肥料不使用にした1年目は、このような微生物が少なかったが、年々増えてきたので、落花生の収穫量が増えてきたと考えられる。
②農薬は使用しない。
農薬を使用すると、落花生に栄養を与えてくれる微生物が死んでしまうため、落花生は栄養を得られなくなってしまう。
③地表が草で覆われるようにする
草で覆われることで、暑さや寒さがやわらぎ、乾燥も防ぐことができる。微生物が、過ごしやすくなるので、落花生に栄養を与えてくれる微生物が増えることになる。
『ときに、草と仲良く、ときに、草と闘う』
★草と仲良く
落花生栽培の畝と畝の間に、草を自然のままに生やしておきます。多様な草が生えることで、様々な種類の生き物が住むようになります。そうすると、落花生にとっての害虫の天敵も住むようになり、落花生が食害を受けたり、病気になったりしても、最小限で済みます。そして、枯れた草は、翌年の栄養分になります。
草が元気だとほっとします。
★草と闘う
落花生を初めて栽培した年は、落花生はわずかしか収穫できませんでした。落花生が草に負けて、育たなかったのです。化学肥料などの栄養を与えないので、土の中から、微生物の力を借りて栄養を吸収するのですが、草の方が、吸収力が強いのです。特に、発芽からしばらくは、弱いのです。
そこで、私の出番です。株の周り20cmくらいの範囲の草を取り除いてあげます。今年は、7回除草しました。草との闘いです。
定年退職者でもできる「低リスクな農業」‥昔ながらの農具を使う「費用が安くて済む・環境にやさしく健康に良い農業」
今の日本の食糧自給率の低さは深刻です。しかし、職業として新規に農業を始めようとすると、家族を養うことができるだけの収入を得るのは、かなり難しいようです。
そこで、収入が少なくても何とかなる定年退職者が、次のような農業を始めるのはどうでしょう。
・高価な農機具を購入しなくても、草刈り機程度で始められる自然栽培の実践‥自然栽培では、化学肥料も農薬も使用しません。ですから化学肥料や農薬の知識は不要で、しかも耕さないので、高価な農機具も不要です。
・<鍬などの農具を使用した体を動かす農業>です。私自身も勤めていたときには膝や腰の痛みがあったのですが、今はなくなってしまいました。






自己紹介です
はじめまして。
教員を退職後、親から引き継いだ農地で、私なりの夢をもって農業を目指しています。
自然栽培を始めて6年目です。「本当にこれで大丈夫なのか?」と不安を感じながらも、今年、ようやく、大きめの落花生が育ったことは、少しだけ自信になりました。

・落花生の生育が順調になってきました。だんだん土がよくなってきたことと、除草を頻繁に行ったこと、自家採種を3年おこなったことなどの成果だと思います。
・大豆も多めの収穫を期待しています。順調に育ってくれています。
大切にしたいこと‥無農薬で、化学肥料等使用しないで、「緑肥」だけで落花生や野菜を育てたい(「化学肥料をしようしない農業」https://iijimafarm.xsrv.jp/wp/kagakuhiryo-shiyoushinai/)(「農薬を使わない農業」https://iijimafarm.xsrv.jp/wp/nouyaku-fushiyou/)



○化学肥料を使わないことにより、害虫の大発生を防ぐ
肥料や農薬、黒マルチ等は購入しないで、できるだけ「自然の力」を生かしたい。


昨年の10月に収穫できた落花生です。
レンジで3分で、おいしく食べられました。
無農薬なので安心です。