今までの試行・その結果

試行1 種まきは、苦土石灰や化学肥料を使用しないで行った。

  • 結果‥苦土石灰等も使用しなかったが、多くの野菜は、6~8割以上の発芽があった。しかし、種子が小さな野菜については、発芽した後、成長できずに消えてしまう場合があった。
  • 改善すべきこと‥成長ができない原因としては、①草に栄養を取られた(試行2の「改善すべきこと」へ)、②化学肥料の使用を前提にしている種であるため、成長が遅かった。野菜の種類によっては、季節が移り、温度が下がってしまうなどして成長が思うように進まなかった。
    • 改善の方法‥種をまく時期を早めに行うことで、成長の遅さを補いたい。さらに、成長を早めるために、草マルチをできるだけ多くすることや米ぬかやワラなどの使用によって、土壌を肥沃にしたい。   落花生と大豆については自家採種を行っているが、他の野菜等についても、「種採り」を行うことによって、化学肥料がなくても、その土壌で成長できる野菜にしていきたい。

試行2 生えてきた草は抜き取らない。野菜より大きくなるときは、数㎝から上の部分を刈り取った。

  • 結果‥草が元気に育った(背が高くなった)場所の土は柔らかくなり、草丈が伸びない場所の土は、硬いままだった。草が茂った場所では、翌年の野菜の成長がよかった。
  • 改善すべきこと‥育てたい野菜が草に負けて、成長できないものがあった。このことを防ぐためには、ある程度の範囲までの草については、根から除去する必要がある。範囲は、野菜が成長したときよりも、さらに広くしたい。この範囲の土の養分は、野菜が吸収できるようにする必要がある。
    • 改善の方法‥育てたい野菜の葉から(最大の成長時)20cm離れた範囲内を草が生えないようにする。なお、この範囲は裸地にしないで、除草した草を土の上に置く「草マルチ」を行うことで湿り気の保持と病気の防止ができるようだ。この範囲内の栄養分を草に取られるずにすみ、野菜が吸収できることで、成長が促されると考える。

試行3 病虫害予防のために、化学肥料は使用せず、草に集まってきた昆虫や草の根の働きを生かして野菜を育てる。

  • 結果‥農薬を使用しないために病虫害が心配されたが、爆発的な病虫害はなかった。農薬を使用しないので、昆虫や微生物が増え、爆発的な病虫害を防いでくれたものと考える。
  • 改善すべきこと‥キャベツなどは、モンシロチョウの幼虫などによる被害があった。コンパニオンプランツ等を、さらに有効に行いたい。また、落花生については、収穫期直前にカラスや小動物などによる被害が大きかった。
    • 改善の方法‥①草マルチを充実させることによって、野菜そのものを元気にすること。②キャベツについてはサニーレタスなどを混植させるなど、各野菜毎に病虫害を防ぐ効果的なコンパニオンプランツを計画的に栽培すること。③収穫期直前の小動物等による被害を防止するためには、防虫網などを適時に使用する。(環境のことを考えると石油製品は使用を極力避けているが)